JavaFXとは何か
JavaFXは、Javaのリッチクライアントプラットフォームの次のステップとして設計されています。これは、デスクトップ、モバイル、組み込みシステムなど、さまざまなデバイスで実行できる豊かなWebアプリケーションを作成し、配信するためのソフトウェアプラットフォームです。
JavaFXは、Java仮想マシン上で動作するリッチインターネットアプリケーション (RIA) のGUIライブラリであり、Java SE 7 Update 2以降に標準搭載されています。Swingとは異なり、FXMLと呼ばれるXMLとCSSを併用してデザインを記述します。
JavaFXは、データの保存と取得、およびほとんどの操作をローカル(つまり、クライアントマシン)で実行するリッチクライアントアプリケーションの開発と展開のためのオープンソースプラットフォームを提供します。JavaFXアプリケーションは、デスクトップ、Web、モバイル、組み込みシステムなど、さまざまな環境で一貫して実行されます。
JavaFXは、Microsoft Windows、Linux(Raspberry Piを含む)、macOS、iOSとAndroidを実行するモバイルデバイスなど、さまざまなデバイスでのデスクトップコンピュータとWebブラウザのサポートがあります。2018年のJDK 11のリリースにより、OracleはJavaFXをOpenJDKの一部としてOpenJFXプロジェクトの下に置きました。これにより、その開発のペースを上げることができました。オープンソースのJavaFXPortsはiOS(iPhoneとiPad)とAndroidで動作します。関連する商用ソフトウェアである「Gluon」は、これらの同じモバイルプラットフォームと追加の機能をサポートし、さらにデスクトップもサポートします。これにより、単一のソースコードベースでデスクトップ、iOS、Androidデバイスのアプリケーションを作成することができます。
JavaFXのダウンロード方法
JavaFXは、Java Development Kit (JDK) の上に構築されたスタンドアロンのコンポーネントです。したがって、JavaFXを使用する前に、JavaFXと互換性のあるJDKをインストールすることを検討する必要があります。例えば、JavaFX 21を使用する場合は、JDK 21のインストールが必要です。
JavaFXのダウンロードと設定の手順は以下の通りです:
- OpenJFXのホームページにアクセスします。
- 「ダウンロード」に進み、「JavaFX Windows SDK」または「JavaFX Mac SDK」をクリックします。
- ファイル
openjfx-11.0.2_windows-x64_bin-sdk.zip
(Windowsの場合)または対応するMacのファイルをダウンロードし、デスクトップなどに保存します。 - ダウンロードが完了したら、EXEまたはDMGファイルをダブルクリックしてインストーラを実行します。
- インストールウィザードの手順に従ってインストールを完了します。
以上の手順により、JavaFX SDKがインストールされます。デフォルトのインストール場所は以下の通りです:
– Windowsの場合: C:\\Program Files\\JavaFX\\javafx-sdk- version
– Mac OS Xの場合: /Library/Frameworks/JavaFX.framework/Versions/ version-number
以上がJavaFXのダウンロード方法になります。次に、JavaFXのインストール手順について説明します。
JavaFXのインストール手順
JavaFXのインストールは、ダウンロードしたJavaFX SDKを展開し、環境変数を設定することで行います。以下に、具体的な手順を示します:
- ダウンロードしたJavaFX SDK(
openjfx-11.0.2_windows-x64_bin-sdk.zip
など)を適当な場所に展開します。展開すると、javafx-sdk- version
という名前のフォルダが作成されます。 - 環境変数
PATH_TO_FX
を設定します。この環境変数は、展開したJavaFX SDKのlib
ディレクトリを指すようにします。Windowsの場合、コマンドプロンプトで以下のように設定します:
set PATH_TO_FX="path\to\javafx-sdk-21.0.1\lib"
- これでJavaFXのインストールは完了です。JavaFXを使ってアプリケーションをコンパイル・実行する際には、
--module-path
オプションと--add-modules
オプションを使って、JavaFXのライブラリを指定します。例えば、以下のようにします:
javac --module-path %PATH_TO_FX% --add-modules javafx.controls HelloWorldFX.java
以上がJavaFXのインストール手順になります。次に、JavaFXの使用開始について説明します。
JavaFXの使用開始
JavaFXを使用するためには、まずJavaFXアプリケーションの基本的な構造を理解する必要があります。以下に、JavaFXアプリケーションの基本的なコード構造を示します:
public class Main extends Application {
public static void main(String[] args) {
launch(args);
}
@Override
public void start(Stage primaryStage) throws Exception {
primaryStage.show();
}
}
このコードは、JavaFXアプリケーションの最も基本的な形を示しています。Application
クラスを継承し、start
メソッドをオーバーライドしています。start
メソッドは、JavaFXアプリケーションのエントリーポイントとなります。
次に、JavaFXアプリケーションのGUI部品を作成し、それをシーンに追加します。以下に、ラベルを作成し、それをシーンに追加する例を示します:
@Override
public void start(Stage primaryStage) throws Exception {
Label label = new Label("Hello JavaFX!");
BorderPane pane = new BorderPane();
pane.setCenter(label);
Scene scene = new Scene(pane, 320, 240);
primaryStage.setScene(scene);
primaryStage.show();
}
このコードでは、Label
クラスを使用してラベルを作成し、それをBorderPane
に追加しています。そして、そのBorderPane
をScene
に追加し、そのシーンをStage
に設定しています。最後に、show
メソッドを呼び出してウィンドウを表示しています。
以上がJavaFXの使用開始になります。これらの基本的な概念を理解すれば、JavaFXでリッチなGUIアプリケーションを作成することができます。さらに詳しい情報やチュートリアルについては、OpenJFXの公式ドキュメンテーションを参照してください。.